「金魚電話ボックス」が撤去されるとのニュースがありました

「金魚電話ボックス」が撤去されるとのニュースがありました

「金魚の町」を象徴するスポットとして人気を集めてきた奈良県大和郡山市柳の「金魚電話ボックス」が撤去されるとのニュースがありました
なぜそういうことになったのかということと今後どうなるかについて、ボク個人の考えもいれて解説します。気楽に読んでくださいね

金魚電話ボックス事件の概要

先日 「金魚の町」を象徴するスポットとして人気を集めてきた奈良県大和郡山市柳の「金魚電話ボックス」が近く撤去されるとのニュースがありました
4年前から地元の柳町商店街などが管理してきたが、外部から「著作権を侵害している」との指摘を受けて決めた。観光客からは「きれいなのにもったいない」と惜しむ声が次々と上がっているそうです

電話ボックスのようだが、内部は水が満たされ数十匹の金魚が悠々と泳ぎ回り、受話器からは気泡が出るというものです

これは2011年ごろ、京都造形芸術大(京都市左京区)の学生グループが「テレ金」という名で制作・発表したそうです

これに対し昨年、「自身の作品によく似ており、著作権を侵害している」と指摘したのが福島県いわき市の現代美術作家、山本伸樹さん(62)。1998年に金魚電話ボックスによく似たアート作品を「メッセージ」として制作・発表した

山本さんは解決策として、これまでの著作使用料を請求しない代わりに、山本さん側の費用負担で電話の色などをデザインし直し、山本さんの著作物として再設置するよう提案した。

京都造形芸術大は「電話ボックスと水槽を組み合わせた作品は(他にも)複数存在する。学生は他者の作品を一切参考にしていない」と11年ごろに制作されたテレ金がオリジナル作品だったと説明している。

商店街組合は「著作権は侵害していない」と訴える一方、トラブルになっている状況を考慮して撤去を決定したそうです

今回の事件を解説してみようと思います

特許と著作権

その前に特許と著作権を比較してみます
一般的に特許=技術 著作権=芸術 ととらえられていますが、権利としてみるときには技術も芸術も関係ありません

特許も著作権も「オレの物を勝手にまねするなという権利」とだけ覚えてもらえればいいです

さて両方とも「まねするな」という権利ですが、一つ大きな違いがあります

著作権は、「オリジナルを見てそれを参考に作った」場合に罰せられます
つまり、「オリジナルのことは知らない、自分で独自に考えた」場合には罰せられません

特許は、「オリジナルのことは知らない、自分で独自に考えた」場合でも罰せられます
「自分で考える前に、同じものがないか調べなかったあなたが悪い」というスタンスです

ですから一般的に著作権より特許権のほうが強力です

今回の事件について

今回の「金魚電話ボックス」は男性から著作権で通告されています
「オレの物を勝手にまねするなと」ということですね

それに対して製作者の京都造形芸術大は「他者の作品を一切参考にしていない」と反論しています
ここポイントです
作品が似てるとか似てないとか言っていません 「ボクの作品はあなたの物とは似てません」とは言っていないのです。そこでは争わないのです

つまり「オリジナルのことは知らない、自分で独自に考えた」と主張している もしそうであれば著作権侵害になりません
考えてみれば、製作者は芸大です。芸大であれば著作権の勉強は当然やっているでしょうから、法律に沿ったすばらしい反論だと思います

さあこうなると、男性側は「いやいや、あんたはオレの作品を見たことあるだろう」ということを証明しなければなりません
他人が自分の作品を見たかどうかを証明しないといけません
これは男性側にとってかなりむずかしいことです

おそらくこのまま裁判になったら製作者側(芸大)が勝つでしょうね
でも裁判をすることが目的ではないですから、今回のように作品撤去という幕引きは妥当な判断だったかなと思います

(おわり)

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